酒造年度とは?ツウは知ってる!?季節に応じて変わる日本酒の楽しみ方

日本酒の種類

1年の始まりは1月1日で、学校の年度始まりは4月2日から。
旧正月やら企業の決算やら、さまざまなものに年の始まりがあるように、日本酒にも1年の始まりがあるんです。

日本酒の年度始まりは7月1日。
これは、昭和40年から法律で決められている由緒正しい区切りの日です。
ちなみに、それまでは10月1日が年度始まりでした。

では、なんで突然変更になったのでしょうか。
酒蔵の1年や、四季によって変わる日本酒の呼び方などとも照らし合わせながら、日本酒の1年についてチェックしていきましょう。

酒造年度が7月に設定されている理由とは?

元々酒造年度の始まりに設定されていた10月1日といえば、稲刈りがひとしきり終わり、酒蔵も新しい日本酒の仕込みに入る時期。
暦年である1月1日や会計年度である4月1日だとお酒を製造している途中で年度が変わってしまうため非常に不便です。
それに比べて日本酒を造り始める10月を年度始まりとすれば、酒蔵にとっても、それを管理する国にとっても都合が良いのは言うまでもありません。

では、なぜ7月で年度を切り替えることになったのでしょうか。
昭和40年の国税庁の通達によれば

最近における清酒製造の実態等からして、酒造年度の期間を7月から6月までとすることに改め、これにより酒類原料米の割り当て等を行なうことが適当と認められるため

ということのようで、10月に比べて7月の方が都合がよかったからと解釈できます。

酒造年度は英字の「Brewery Year」から頭文字を取ってBYと表記されます。一般的には元号を使うことが多く、平成28年の秋にとれたお米で作った場合、6月30日までに出荷すれば平成29年になっても28BYと書かれています。
ちなみに、2019BYという西暦表記もあれば、単純に製造年月日と書かれているケースもあり、酒造メーカーによって表記はまちまちです。

日本酒造りの年間スケジュール

では、具体激似日本酒の年間スケジュールを想像してみましょう。
そうすれば、なんとなく夏に酒造年度が切り替わる理由が分かってくるかもしれません。

  • 5月〜:田植え
  • 7月:酒造年度開始
  • 9月〜:稲刈り・精米
  • 12月〜:寒造り

といった具合です。
古酒などをはじめ、長期に渡って醸造した日本酒も一部ありますが、基本的には作ったその年度に飲み切ることが多いため、日本酒についてはそれほど製造年度のこだわりがありませんが、新年を迎えても6月までは前年の数字で出荷が続くため「1年前の日本酒じゃん!」とびっくりしないようにしてください。

BYはあくまでも税務署に申告するために日本酒を検査した時期で決められるため、7月を過ぎた場合は1年前のお米を使っていても新酒年度のBYで表記されている可能性があるので念のため覚えておきましょう。

冬は新酒が出始める「しぼりたて」の季節

10月頃から仕込みを始め、新酒が出回り始めるのがだいたい12月頃。
つまり、酒蔵にとってこの時期は新酒ができあがる季節になります。
通常、日本酒は2回の火入れをしますが、冬の時期に完成する「しぼりたて」はまったく火入れをしない「生酒」。
荒々しくてフレッシュな味わいになります。

新酒が出来上がると酒蔵には杉玉(すぎだま)や酒林(さかばやし)と呼ばれるボール状の玉が吊るされます。
つまり、杉玉が吊るされているということは今年のお酒が出来上がったと言う合図であり、吊るされていない場合はまだ新種ができていないということ。
神の宿った杉の葉を吊るすことで、感謝の気持ちを表すという意味もあるようです。

初めてできあがったお酒は「初搾り」と呼ぶ

杉玉が吊るされたということは、最初に仕込んだ酒樽から、その年で初めての日本酒が絞られたということ。
つまり「初物」ということになります。
日本酒では、その年の最初に絞られた新酒のことを「初搾り」と呼んでいます。

初搾り意外はしぼりたてと呼ばれ、冬のお酒として親しまれています。

おめでたいお酒「立春初搾り」とは?

初搾りに加えてもうひとつ、1年の中でも1日しかとれないお酒があります。
それが「立春初搾り」です。
立春というだけあって、毎年2月4日に搾られるお酒になります。

2月4月といえば旧暦のお正月。
立春初搾りは新酒を使って冬場に仕込む、いわゆる「しぼりたて」のひとつなので火入れをしない生酒。
当然、おめでたい日なのでただ単に2月4日に搾るというだけではありません。
この日に最高の品質になるように狙って仕込みをする必要があり、ある意味杜氏さん泣かせの日本酒でもあります。

まだまだある、冬の特別「無垢の酒」

冬の二十四節気、小寒から立春初搾りを搾る立春までの期間に作られた日本酒のうち、ある特定な日本酒だけに限定して「無垢の酒」と呼んでいます。
小寒はだいたいお正月のすぐ後なので、お正月を過ぎてから旧正月までの間に作られたものが対象となります。
特定の条件とは

  • 純米吟醸酒であること
  • もろみに加圧しない「あらばしり」であること
  • 活性炭を使った濾過をしていないこと
  • 生酒であること
  • 水で調整をしていない原酒であること

つまり、期間限定の「純米吟醸 無濾過生原酒 荒ばしり」を限定して無垢の酒としています。
火入れをせずに保存し、まったく手を加えずに取れた日本酒「無垢の酒」は贅沢がたっぷり詰まった特別なひと品と言えます。

春を迎えると「祝酒」が多くなる

季節が巡り、春が訪れるとお祝いごとが多くなります。
就職や歓送迎会、卒業などなど、さまざまな節目があるため「お祝い」のお酒が何かと多くなるものです。
そんな中で春を感じるものといえばやっぱり「桜」ですよね。

日本で桜といえばほとんどの方がソメイヨシノを思い浮かべるはず。
ほのかにピンクを纏った白い花びらの色は日本人の心を癒してくれる特別な色。

それを連想させられるためか、この時期に出回る日本酒には「にごり酒」の中にピンク色のものが増えてきます。
見た目にもちょっぴり贅沢を感じられる桃色に濁った日本酒をぜひ一度味わってみてください。

暑さを乗り切る工夫が詰まった「夏酒」

夏といえばビール。
酎ハイもハイボールもとってもおいしい。
と、日本酒ではないものがもてはやされるシーズンでもありますが、日本酒だって負けてはいません。
特に、夏は冷酒でクイっといくだけで思わず「くぅー」と声が出てしまう日本酒好きにはたまらないシーズンでもあります。
鮎をはじめ、夏においしい魚も多く、思わず日本酒とセットにしたくなる料理も少なくありません。

最近では、吟醸酒を炭酸水で割る吟醸ハイボールや、氷を入れて楽しむ日本酒ロックなど、さまざまな飲み方を楽しむ人が増えています。
冷たい日本酒は冷酒だけではなく、選びしろが増えているのは嬉しい限りですね。

秋の味覚を楽しむ「ひやおろし」 秋に出回る日本酒は、どれも夏を超えた上質なお酒ばかり。 特に、火入れをしたまま貯蔵され、出荷前には火入れをしない「生詰め」のお酒は「ひやおろし」と呼ばれ、秋シーズンの目玉となっています。 安定していてそれでいてしっかりとした味わいのものが多く、料理に合わせて飲むと秋の味覚も日本酒も両方を最高に楽しめると日本酒好きからは特に注目を集めています。 ちなみに、生詰め以外のおさけは「ひやおろし」とは呼ばないので、まとめて「秋あがり」という名前で呼ばれています。 ひやおろしとは違うものですが、どちらも等しく夏の間熟成を重ねたひと品。 ぜひ、おいしい秋の味覚と一緒に楽しんでください。 季節に合わせて日本酒を楽しもう!

いかがでしたか?
季節に応じてさまざまな日本酒が出回り、その時々に合わせた飲み方や楽しみ方ができるということが分かったのではないでしょうか。
1年を通した酒蔵の動きや出回る日本酒のことを知れば、季節に応じた日本酒の楽しみ方も変わってくるのではないでしょうか。
どの日本酒が良いかを決めるとき、ぜひ参考にしてみてください。

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