無色透明だけじゃない?色のついた日本酒でこそ感じられる醍醐味とは?

日本酒の種類

日本酒といえば無色透明か、あるいは白く濁っているというイメージがあるのではないでしょうか。
現在は酒税法の表記によって変わっていますが、過去には透明なものを清酒、白く濁っているものをにごり酒と分けて呼んでいたほどなので、そのイメージは正しいはず。

しかし、透明な日本酒の中には少し色を含んだものもあるようです。
また、にごり酒もただ白く濁っているものばかりでもないよう。

なんだかちょっと変色しているのだけれど大丈夫かな?
にごり酒の成分が沈殿しているのだけれどよく振って飲んだ方がいいの?

などなど、気になる日本酒の色や味に与える影響について触れていきます。

日本酒はできたての時点では色がついている

一般的な、いわゆる「お酒」について考えてみると、ビール、ワイン、ウイスキー、ブランデーなど、色のついたお酒が数多く見られます。
一方で、日本酒の、いわゆる「清酒」とされていたものは無色透明のものが多くあまり色がついているイメージがありません。
しかし、実際に製造工程を見ると、しぼりたての日本酒は無職ではなく山吹色を含んだ透明です。
これを、活性炭を使うことで色抜きし、“わざわざ”無色透明な状態にしているのです。

日本酒の色が無職透明なのは品評会が理由?

日本酒には、さまざまな品評会があります。
よく、ラベルに「金賞」と書かれているものがありますが、これも日本酒の品評会で高い評価を受けている証です。
そして、この品評会でいわゆる「ウケが良い」とされているのが、無色透明な日本酒なのです。
逆に言うと、黄色を含んだ日本酒はイメージが悪い傾向にあると言えます。
そのため、各酒造メーカーが色を取り除く作業を取り入れて無色透明にしているのです。

黄色を含むとイメージが悪い理由

では、なぜ薄い黄色を含むとイメージが悪くなってしまうのでしょうか。
ただなんとなく透明の方がかっこいいからという理由だとしたら、それはそれで問題ですよね。

その理由は、日本酒は劣化すると同じように黄色を含んだ色に変色してしまうからです。

品評会に登場する日本酒が黄色を含んでいても劣化していると思う人はおそらくほとんどいないでしょう。
しかし、見た目のイメージを素直に述べると、透明のものに比べて劣化した印象を受けてしまうということで、評価が下がってしまう傾向にあります。
こうした経緯から、日本酒は黄色を含んだものよりも透明のものが圧倒的に増えてきて、今では透明なのが当たり前となっています。

時代の変化で黄色を含んだお酒も復活?

しかし、時代が進むにつれ、色への印象も変化します。
本来持っている色を抜くというのは、同時に香りや味も薄れていくことを意味します。
その結果、飲みやすいものへと変わっていくことも事実です。

ただ、日本酒のことを知れば知るほど、本来の味も知りたくなるというのは好きになったものとしては当然の心情。
日本酒ブームもあって、もっと日本酒らしい、ふくよかな香りとコクのある味わいの銘柄はないかという人が増えてきています。

無濾過の日本酒の人気が復活

活性炭を使って濾過する、いわゆる「黄色い日本酒を透明にする工程」を省いたものを「無濾過」と呼んでいます。
日本酒のラベルを見ると「無濾過」と書かれているものもよく目にするようになってきました。

ちょっと黄色っぽい、お米のパンチが感じられる日本酒を飲みたい場合は「無濾過」と書かれたものを選ぶと良いでしょう。

にごり酒はどうやってできる?

日本酒には、透明のものの他に、にごり酒という、白く濁ったお酒があります。
その仕組みを知るためには、簡単に製造工程を理解する必要があります。

日本酒は、米をベースにした酒母や麹、水などを使ってアルコール発酵させた「もろみ」と呼ばれるヨーグルトのようなどろどろの個体を酒袋などに入れ、圧力をかけることによって搾り出される仕組みになっています。
通常、限りなく細かい目の袋を使って絞るため、日本酒は透明になりますが、あえて目の粗い袋を使うことで液体の中に「澱(おり)」と呼ばれるものを残しておいたものがにごり酒です。

にごり酒とどぶろくは違うもの

にごり酒=どぶろくと思っている人もいますが、実はまったくの別ものです。
どれくらい違うかと言うと、にごり酒は酒税法では「清酒」に含まれますが、どぶろくは含まれません。
つまり、木綿豆腐と高野豆腐ぐらい違うということ。
日本酒であって清酒じゃない。それがどぶろく。そういうことだろう。

具体的に言うと、もろみを粗いフィルターでこしたものがにごり酒。こさずにもろみから作るのがどぶろくです。

ピンク色の濁り酒も存在する?

にごり酒の中には、白だけでなく、ピンクに濁ったものも存在するようです。
もちろん、着色料を使って色を付けている訳ではありません。
清酒酵母の中には、時折赤色に変異するものが出現するため、これを上手く活用することによってピンク色のにごり酒が造れるよう。

あたり前ですが、日本酒なのでいちごミルクのような味はしません。
ただし、色は見事なピンク色をしているので、かわいい日本酒を楽しみたいという方には特におすすめです。

にごり酒にはふたつの種類がある

にごり酒には、実は大きく分けてふたつの種類があります。
それは「炭酸を含んでいるもの」と「炭酸を含んでいないもの」です。

炭酸を含んでいないにごり酒はとろとろしている

日本酒には、味や香りを変化させてしまう菌を殺してしまい、酵母の働きを止める目的で「火入れ」という工程があります。
これをすると、にごり酒からは炭酸がなくなり、とろとろとした液体になります。

炭酸を含んだ日本酒はシュワシュワしている

当たり前ですが、炭酸を含んでいると言っても酎ハイやハイボールのように気泡がぶくぶく浮いてくるわけではありません。
あくまでも、口に含んだときほのかにシュワシュワとした感じが口に残る程度です。
火入れをせず、酵母を生きたまま瓶に閉じ込めるため、発酵による発泡感がシュワシュワ感につながっているというのが正体です。

当然ですが、酵母が生きたまま瓶に詰まっているので、早めに飲まなければ味が変わってしまいます。
開封後は早めに飲みきることをおすすめします。

にごり酒はよく振った方がいいの?

さて、にごり酒の仕組みが分かったら、沈殿した澱が混ざるようにしなければただの透明な日本酒になってしまうということは分かりましたよね。
なら、せっかくのにごり酒。濁らせるためによくまぜて飲むことを前提に作られていることが分かりましたよね。

では、よく振って・・・ちょっと待ってください。
にごり酒には、炭酸を含んだものがありますよね。
サイダーのような強炭酸ではありませんが、瓶の上まで日本酒が詰まったものをよく振った後開封すると何が起こるか、想像に難くありませんよね。

にごり酒は一度開封し、空気に触れさせてから振った方が香りが良くなるという説もあるので、まずは封を開けた後、再度締め直し、優しく振ってから飲むことをおすすめします。

にごり酒を本気で楽しみたい方の遊び心

にごり酒には、実はさまざまな飲み方を楽しめる日本酒です。
一般的には澱を混ぜて冷やで楽しむものですが、あえて上澄みと澱を別々に楽しむというちょっと変わった楽しみ方をしているファンもいます。
この場合、上澄みではスッキリした味わいを、澱を混ぜるとクリーミーなにごり酒をと、ひとつでふたつの味を楽しむことができます。

さらに、にごり酒をあえて熱し、熱燗にして飲むという味わい方も。
この場合、火入れと同じくとろみのある舌触りへと変化していきます。
また、もともと甘みが強いことが特徴のにごり酒なので、熱燗にしてもマイルドな甘味が残ります。
さらに、50度くらいまで熱するとトロトロ感の増したにごり酒を楽しむこともできます。

色のついた日本酒のおさらい

いかがでしたか?
日本酒には無色透明のものだけでなく、もともと薄い黄色を含んでいるものや、わざと澱を加え、白く濁らせているものがあることが分かったと思います。
それぞれに違った味の特徴も持っていて、異なる楽しみ方ができることも大きな特徴のひとつと言えます。

スッキリとした味と華やかな香りを持つ、上品なものばかりが持てはやされてはいますが、それだけが日本酒のすべてではありません。
さまざまな味や香りを知れば知るほど奥が深くなっていくのではないでしょうか。
そう言った意味では、色のついた日本酒やにごり酒に手を出し始めると日本酒の醍醐味に触れる第一歩を踏み出したと言えるかもしれません。

ぜひ、さまざまな味を楽しんで、幅広い中からマイベストの日本酒を探してみてください。

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