日本酒の「味」や表現方法を知ろう!辛口は辛いわけではなかった!?

日本酒の種類

日本酒の「味」の表現っていろいろあり過ぎて難しいですよね。
上司がしたり顔でコクとかキレとか旨みとか雑味とか言われても、どんな味なのか半分も伝わってないんだわ!
と思ったりしますよ。

専門用語を並べて説明するウェブサイトの担当者と同じぐらい嫌われそうなのは間違いありません。
だから、自分は絶対にやるまいと心に誓いつつも、日本酒好きならある程度知識として持ってはおきたいというのが本音ですよね。

そこで、日本酒の「味」の特徴や、その表現方法について詳しく紹介していきます。
意味を知った上で面倒な上司の言葉に耳を傾けると、ふむふむなるほど、これがコクか・・・なんて分かる日がやってくるかも。

味を構成する「五味」について

日本酒に限らず、味には5つの種類があると言われています。
それは「甘み」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」です。
他にも渋みや辛みなど、いろいろあるのでは?
と思われるかもしれませんが、口の中で食べ物の味を感じとる細胞が味として感じとるものは五味で挙げられた5つの味しかないと言われています。

それ以外の渋みや辛みは、別の細胞を刺激するもののようです。
例えば、激辛料理を食べて「痛い」と感じるのは、実際に味を感じとる細胞ではなく痛覚として感じ取っていることが原因であり、味としてではなく刺激として認識されています。

甘みは日本酒の特徴

日本酒の甘みは砂糖のようなものではなく、お米を噛み続けた時に口の中に広がる優しい甘さ。
吟醸や大吟醸のように、精米歩合の高いものになると吟醸香というフルーティーな香りも手伝ってはちみつやシロップのような爽やかな甘さが広がるものもあります。

日本酒の甘さは米に含まれる当分がアルコールと二酸化炭素に分解される中で、最後まで分解されずに残ったもの。
このほんのりとした甘さこそが日本酒の魅力であり、美味しさとも言えます。
ちなみに、糖分の分解が進めば進むほど甘みの少ない日本酒になります。

塩味は日本酒には存在しない

日本酒に塩味は存在しません。
そして「辛口」の日本酒という言葉が存在しますが、実際には辛み成分が入っているわけでもありません。

日本酒の辛さは甘さを抑えることによって引き立つアルコールの刺激の強さを「辛い」と感じているに過ぎません。
実際、辛口のお酒を表現する場合、スパイシーではなく「ドライ」という言葉が用いられるのも「甘くない」ことを言い表しています。

日本酒には「塩味」が存在しないため、飲むときに塩分をとると足りない五味を補って味に幅がうまれ、美味しく感じることが多くあります。
ツウは日本酒を塩だけで飲むと言われていますが、これもあながち間違った飲み方ではなく、五味の不足を補ったシンプルな味の足し算と言えるでしょう。

酸味は日本酒の味の決め手になる

日本酒の中でも甘みと並んで出やすいのが「酸味」であり、その味の決め手のひとつにもなっています。

日本酒を製造する工程の中で、菌による発酵は非常に重要な過程のひとつ。
その中で登場する菌のひとつに、おなじみの「乳酸菌」も含まれています。
この乳酸菌がしっかりと働くことによってヨーグルトのようなまろやかな酸味が生まれるのです。

また、それ以外にもリンゴ酸、コハク酸なども含まれており、それらが作用することで酸味が際立つ日本酒となることもあります。
リンゴやぶどうなど、果物にはほどよい酸が含まれているものも多く、フルーティーな吟醸香とも相まってフルーティーな味を構成する要素のひとつにもなり得ます。

とは言え、酸味の強すぎる日本酒はあまり好まれない傾向にあります。
だから、実際にはもっと酸味の強い日本酒を作れることができても「酸っぱい」と感じない程度に抑えられていることがほとんど。
そのため、漬物や酢の物、南蛮漬けのように、酸味の強いものに合わせても相性の良い日本酒が多いです。

苦味は日本酒に複雑さを宿す

ビールのような苦さの日本酒となると、話は変わってきますが、日本酒にもほんのりとした苦味は存在します。
これもアルコールを生成する過程で作用する菌の影響。
日本酒に漂う程よい苦味は、味に複雑さを与えてくれます。
そのため、ずっと飲み続けていてもなかなか飽きのこない味へと仕上がっていきます。
また、わずかな苦味が入ることによって味を構成する五味の成分が程よく刺激され、全体の味が引き締まって感じられるのです。

酸味と同様、苦味の強い日本酒が好まれることはありません。
そのため、日本酒に含まれる苦味の成分は微々たるもの。
焼き魚の皮や内臓をはじめ、苦い部位と日本酒を合わせると美味しく感じられるのも、足りない味をプラスされたことの証明と言えるでしょう。

うま味は日本酒を構成する最重要の要素

日本酒の味を構成する要素の中で、最も重要なのがこの「うま味」です。
うま味というのは甘い、辛いという分かりやすい味とは別であり、昆布やかつおなどでとった出汁のような、縁の下の力持ち的役割を担っていて、「基本味」とも言い換えられることがあります。
決して単体では成り立ちませんが、うま味のないものは出汁をとらない味噌汁のような浅くて淡白な味になってしまいます。

例えば、辛口の日本酒というのは、控えめの甘み、存在しない塩味、目立たない程度に存在する酸味と苦味で構成されています。
そのため、旨味
ある程度は美味しく飲むことができても、ある程度以上飲み続けるのは難しいです。

一方で、甘みと旨みに程よく苦味と酸味が辛み合った日本酒は、ベースとなる旨みや甘みを感じながらもさまざまな味の構成が複雑さを与えます。
いずれにしても、日本酒の味の決め手となるのが「旨み」であることは言うまでもありません。

日本酒の味の表現

日本酒の味にはさまざまな表現があります。
中でもよく用いられる表現はだいたい決まっているようです。
そこで、代表的なものを表にまとめてみました。

表現 意味
キレが良い 後味が潔く消えること。キレとは、後味の残り具合のことを言う
押し味 後味が残ること。「キレが良い」の逆の表現で、余韻が残る、余韻を楽しむと表現する
コクがある コクとは細やかな風味のこと。口に含んだ味わいが豊かに変化しながら持続していくようすを表現する
淡麗 口に含むと滑らかですっきりとした感じを受ける味のこと。辛口とセットで使われることが多い
濃醇 淡麗の反対で味が濃いこと。濃厚な味の表現として用いられる
辛口 舌に刺激のある味わいのこと。塩辛い、しょっぱいとは異なるが、スパイシーな訳でもない
甘口 概ね日本酒度の高いものの表現。冷やで甘く感じられても、熱すれば辛口になることが多い
旨口 いわゆる甘口の味わいにコクがプラスされた状態。深く奥行きのある味わいのこと
芳醇 味と香りが良いこと。上品、高級という意味を含むため、大吟醸酒などによく用いられる
ゴク味 コクが感じられる味において、そのバランスが良く保たれていること
荒い 味のバランスが崩れていること。褒め言葉としては「若々しい」「元気」と称され、そうでない場合は「未熟」「熟成されていない」となる。

その他、良くない味のニュアンスとして
「収斂味(しゅうれんみ)」:渋みが強すぎること
「老ね(ひね」:時間経過によって劣化が感じられること
などがあります。

味は意外と曖昧なので要注意

味の感じ方は合わせる料理の味によっても変わってきます。
特に、日本酒の足りない味を五味が上手く補った場合に、時として絶妙な美味しさを感じることも少なくありません。

また、日本酒は温度によって甘さ、辛さや味の印象も大きく変わってきます。
そのため、一概にこの銘柄はこうと決めつけられないところも少なくありません。

それが日本酒の特徴でもあります。
同じ銘柄のお酒のさまざまな表情を知っていくことも、楽しみのひとつと言えるでしょう。

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