日本酒を味と香りで4つに分類。薫酒・爽酒・熟酒・醇酒の特徴とは?

日本酒の種類

最近の日本酒といえば味だけでなく「香り」を楽しむお酒としても人気ですよね。
ワイングラスで飲んだり、日本酒専用のグラスが登場したりして、味と香りの両方を楽しむ方が増えています。

特に、吟醸酒から漂う華やかな香りは女性からも人気。
日本酒女子なんて言葉ができちゃうくらい、高い人気を誇っているのも、香りあってのものではないでしょうか。

ところで、日本酒は大きく4つに分けられているって知っていましたか?
「熟酒」「醇酒」「薫酒」「爽酒」とラベルに書かれているのを見たことがある方もいらっしゃるはず。
実はこれ、日本酒の味だけでなく、「香り」も含めて分類したものなんです。

そこで今回は、意外と知られていない日本酒の4つのタイプについて詳しくチェックしていきます。

日本酒の香り「熟酒」「醇酒」「薫酒」「爽酒」とは?

日本酒には種類が多く、使用する米や水の種類、精米歩合や醸造方法によっても味や香りが異なるため、複雑で難しいというのが一般的な印象です。
例えば、同じ純米吟醸酒でも、爽やかな吟醸香が漂うものもあれば、お米の風味をまとった純米酒っぽいものもあります。
そのため、分かりにくい印象が強く、自分が飲みたいのはどれなのか、好みのジャンルは何なのかを探すのが難しいと言われていました。

これではダメだということで考えられたのが、味や香りによって分けられる日本酒の4タイプ。
飲んでみて「おいしい」と感じたものをチェックしていくと、自分がどのタイプが好みかも分かってくるかもしれません。
ぜひチェックしてみてください。

「熟酒」高価なわりに飲む人を選ぶ

熟酒は、読んで字のごとく、熟成されたお酒。通常、日本酒はその年に採れたお米を使ってその年のうちにお酒にして出荷するのですが、中には長期熟成させるものもあります。
古酒、秘蔵酒、長期熟成酒といった名前のものがこれに当てはまり、作ってから3年以上寝かせているものもよく見られます。
当然、希少性が高く、値段もそれなりに高価なものが多いです。

●熟酒の味と香り
長期熟成された日本酒は、ドライフルーツやスパイスのような「長いこと熟成されていました」感のある香りを漂わせます。
味わいはとろりとした甘みを感じられるものから苦味の強いものまでさまざま。
複雑で力強い味わいに加え、パンチのある熟成された香りが押し寄せてくるため、好みは分かれがち。
日本酒に慣れていない方はいきなり手を出すのはちょっと危険な領域でもあります。
●熟酒をおいしく楽しめる温度
香りは冷やすとおとなしくなり、温めると強くなる傾向があります。
特徴的な香りではありますが、味わい深く楽しめる香りとは言い難いので、温めすぎるのはあまりおすすめしません。
常温か、香りを抑えて楽しみたい方であれば低めの温度で楽しむのも良いでしょう。
【涼冷え(15℃)~人肌燗(35℃)】
●相性の良い料理
すべてが同じというわけではありませんが、傾向的に脂っこい料理と相性が良いです。
豚の角煮や牛すじ煮込み、ぶりの照り焼きなどもおすすめ。
また、モノによっては熟成されたチーズと相性の良いものもあり、ワインと同じような楽しみ方も可能です。

「醇酒」米そのものの香りを楽しむ

醇酒は芳醇な香りを楽しめるお酒。
日本酒の原料であるお米を感じられる、4タイプの中でも最も日本酒らしい種類と言えます。
精米歩合の低い純米酒や本醸造酒の中でも、酒母に生酛(きもと)造りや山廃仕込みをしている日本酒が醇酒の典型です。
また、絞ったお酒をそのまま味わえる無濾過や原酒などにも多い傾向があります。

●醇酒の味と香り
醇酒の最大の特徴は、素材をしっかりと感じられる味と香り。
「日本酒の原材料は米ですけん」と言わんばかりのコクと深みのある味わい、控えめでありながらふんわりと漂う米の香り。
ワイングラスに入れて上品に味わうというよりも、料理に合わせてしっかりと楽しむ日本酒と言えます。
●醇酒をおいしく楽しめる温度
醇酒は幅広い温度でその味を楽しめる日本酒です。
冷やせばいわゆる“米感”は薄くなりますが、その分口当たりがよくなり、コクと深みのある味わいを存分に楽しめます。
熱すると逆に“米感”がしっかりと伝わり、膨らみとキレが増した旨みのある日本酒を楽しめます。
どちらも好みですが、せっかくなら熱燗で楽しんでいただくのが最も米の感じを楽しめるでしょう。
【常温(20℃前後)もしくはぬる燗(40℃)以上】
●相性の良い料理
銘柄によっても相性は異なりますが、醇酒は食中酒に最も適した日本酒で、さまざまな料理に合いやすいとされています。
ぬる燗以上の温度がおすすめなので、鍋料理やおでんなど、温かい冬の料理との相性も抜群。
唐揚げや煮物など、濃い味付けの料理に合わせてもおいしくいただけます。

「爽酒」爽やかで飲みやすく種類も多い

日本酒を分類する4タイプの中で、最も種類の多いのが「爽酒」です。
淡麗辛口の爽やかな味わいはだれにも好まれ、おいしくてつい飲み過ぎてしまうことが多いのも特徴のひとつ。
普通酒や本醸造酒、一部の吟醸酒など、生酒系のお酒が多い傾向です。

●爽酒の味と香り
滑らかでみずみずしく、フレッシュな飲み口の爽酒は、控えめながらも野菜やフルーツのような香りがほんのりと漂います。
主張が控えめなので日本酒が苦手だと思っている方でも飲みやすく、誰にでも楽しむことができる日本酒です。
その優しい香りと飲み口は、ワイングラスに注いで楽しむのもおすすめです。
●爽酒をおいしく楽しめる温度
爽酒をその持ち味をそのままにさっぱりと爽やかに楽しみたいなら冷たいまま飲むのが最もおすすめです。
冷やすと香りや味の膨らみは抑えられますが、その分みずみずしさや清涼感がグッと引き立つため、爽酒の特徴を引き出してくれます。
日本酒をロックで楽しむのも冷やすことでおいしくなる爽酒ならではです。
【雪冷え(5℃前後)〜涼冷え(15℃)以上】
●相性の良い料理
爽酒は爽やかで軽快な味わいなので、料理の味を邪魔しません。どんな味付けの料理にも合いやすいのが特徴です。
刺身やサラダ、酢の物など、味付けをしっかりしていない料理に合わせてもお互いに味を引き立てあうことができるのも爽酒ならでは。
冷奴や蕎麦なども含め、夏に食べたい、冷たい料理との相性も良好です。

「薫酒」華やかな香りを楽しむ上品な日本酒

日本酒の中でも最も高価な種類、吟醸や大吟醸、純米吟醸、純米大吟醸といったお酒に最も多いのが薫酒です。
精米歩合が高い日本酒の多くが葷酒に分類される傾向があり、今、日本酒の中でも多くの方が「日本酒好き」になっているのも薫酒の影響が強いです。

●薫酒の味と香り
葷酒は、りんごやメロン、花やハーブなどにも形容され、優しく華やかに広がるフルーティーな香りが最も大きな特徴。
「吟醸香」と呼ばれるそれは、ワイングラスや日本酒専用のグラスで楽しむとより一層上品さを感じられます。
味は比較的爽やかで落ち着いているものが多く、甘口から辛口まで幅広い点も特徴のひとつ。
白ワインのような感覚で楽しめ、海外に日本酒ファンを増やしているのも薫酒だからこそです。
●薫酒をおいしく楽しめる温度
薫酒は爽酒と同じく冷たい状態で味わうのが最もおすすめです。
ただし、あまりに冷やしすぎるとせっかくの香りが閉じてしまうため、雪冷えやロックなどはあまりおすすめできません。
冷蔵庫である程度冷やした10度前後でいただくのが適温とされています。
【花冷え(10℃)〜涼冷え(15℃)】
●相性の良い料理
貝の酒蒸し、生ハムサラダ、カルパッチョ、牡蠣レモン、シーフードマリネ・・・和食だけでなく洋食にも合いやすいのが葷酒の特徴です。
日本酒自体の味を楽しむ反面、食中酒にするには合わせる料理を選ぶ傾向にあります。
爽酒と同様、冷やして飲むこともあり、刺身をはじめとする薄味の魚料理とも相性が良いです。

日本酒のタイプをうまく使い分けよう

いかがでしたか?同じ日本酒でも、香りを楽しみたい、冷やで飲みたい、熱燗で飲みたいなど、目的に合わせて選べるのもタイプによる分類があればこそ。
「夏の暑い日はキュッと冷やした日本酒を楽しみたいから爽酒を選ぼう」
「鍋料理と一緒に熱燗を楽しみたいから醇酒にしよう」
といった選び方ができれば、もっと料理に会った日本酒を選べるかもしれません。
ぜひ、今までよりもさらに美味しく、日本酒を楽しんでください。

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